NightTheater BGA制作後記
とある2020年㋇
わかどりさん「BGA制作をお願いできますでしょうか。」
私「了解しました!」(大学の講義中)(試験期間すら始まってない)
~~2週間後~~
私「そろそろ映像つくるぞー」
ウオウオ「XFD動画公開!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
私「゛゛え」゛゛゛゛゛゛゛゛゛゛゛゛え゛゛゛゛゛゛゛゛゛゛!?!!?!?!?!?!?!?!
まえがき
多分はじめまして。細々と映像制作をしているもがみと申します。これはBOFXVIのBGA「NightTheater」の備忘録です。
さて、この記事は以下の構成となっています。適当にお読みください。
8月末、タイトル未定
ある日、わかどりさんから仮音源が届きました。当初はどうやらタイトルが無かったようで、私はなんとなく「海辺の旅かなー」と感じ、早速アイディア出しを開始。「サビの前は静かだから夕暮れかな……となると前半部分は昼間とかかな……」と方向性を探っていました。私がこの曲で映像作っていいんですか…!?ってめちゃめちゃ言いました
サビ前の印象。
そして9月。改めて届いた音源にはこう書かれていました。
スッ…(メモを捨てる音)
9月4日、NightTheaterとしての出発
「night_theater…」
ファイル名から劇場というテーマを受け取ったのですが、そこからどう広げるかがポイントでした。
とりあえず旅のイメージを消し、劇場、都会、夜景、喧騒と静寂、あたりをキーワードとして構想を始めました。
ちょうどセールしていた都会のUE4アセットも導入し、着々と準備を進めます。
そして1週間後、正式版の音源がタイトルとともに送られてきました。
アガスティヤはインド神話に登場する聖仙。ヴァルナ神・ミトラ神の子。
私はタイトルの差し戻しをお願いしました…
(めちゃくちゃエキゾチックなBGAになってたかもしれない…。)
※追記 Agastiaってりゅうこつ座α星のことらしいです。知らなかった…。
9月14日、衝撃の一日
既に構成は大体確定していましたが、リアルが忙しくまだ制作には手を付けていません。大学の講義も終わり、そろそろBGAも作り始めるかー、と思っていた、その時に事件は起こります。
【告知】BOFXVIチーム「ウオウオ」から登録される4つの作品のクロスフェードが公開‼
— ㋇ (@eihiresan) 2020年9月14日
BGA付きで楽曲を試聴できるほか、謎の音源も配布...❓
₍₍⁽⁽🦾₎₎⁾⁾₍₍⁽⁽🌵₎₎⁾⁾₍₍⁽⁽㋇₎₎⁾⁾₍₍⁽⁽🍗₎₎⁾⁾ウオウオ
URL:https://t.co/XP6HdJck3e pic.twitter.com/DO9FqUZtsX
突然のクロスフェード動画です。
私「🦾なにこのかっこいいBGA!??!」(知らなかった)
私「🌵KeiuO(※大学の後輩)が変なBGA作ってる!!」(知ってた)
私「8️⃣kazariさんがいる!?!?!?!!??」(知らなかった)
私「🍗が踊ってる!?!!?!」(知らなかった)
私「ていうかXFD動画っ!?!?!?!?!?!?」(知らなかった)
BGA公開まで、あと約30日。
……なんもつくっとらん…………ヤバイ…………
周りのクオリティの高さ・作業の速さに危機感を覚えた私はすぐに制作開始。怒涛の1ヶ月が始まります。
~ 各シーンの制作をふり返る ~
イントロとかサビとかの思い出。
当初の映像構成は
「人のシルエット → 移動 → 都会のビル群 → 都会の地上(信号機とネオン) → 客席 → 劇場の中 → 道路 → 喧騒 → 都会の夜景」
という感じだったのですが、結局変わってる部分も多いです。シルエットとか信号機とかネオンとか一切出てきとらんし…。
① [0:00~0:26] イントロ部分
イントロ部分は「移動をテーマにしたモーショングラフィックス」というテーマで色々作っています。イントロって一番見られる部分ですし、どんどんシーン切り替えて飽きさせないようにしよう…という魂胆がありました。
1.1 最初の夜空みたいなシーン
きらびやかな感じでカメラはキビキビ動いて…みたいなイントロです。最初は「移動→旅行→チケット←映画館」という発想でチケットデザインとかやろうとしてたんですが、私のデザインセンスの無さとわかどりさんの発注により現在の形に落ち着きました。
身内にはわかるかも知れませんが、実は以前制作したジャケットが元になっています。(再利用許可、感謝…。)
ちなみにTrapcodeFormを雲みたいに散らしてカラフルにしてグローとピクセルソートをかければ完成します。(伝わらない)
1.2 伸びる線とフローリッシュアニメ
このシーンは「移動→移り変わり→成長→草木←しがらみ←人間関係」あたりで連想しています。ここの伸びる線はあみだくじを人生のメタファーとした…みたいな意味合いです。まぁどんな人生かは考えていませんが…。
また、ここで載せてるメッセージはシェイクスピアの「お気に召すまま」の原文から引用しています。
All the world's a stage, and all the men and women merely players:
(訳:この世界は1つの舞台で、誰もが役者だ。)
多分見覚えのある内容だと思うのですが、これは私がnight_theaterというファイル名を受け取った時の
- シアター……夜自体が一つの舞台なのでは……?
- ところで劇と言えばシェイクスピアとか……?
という思いつきと奇跡的に結びついています。何か文字載せたいな~とか言って「シェイクスピア 名言」で検索してた私は衝撃を受けました。
1.3 地図アニメ
ここはガッツリ移動がテーマです。過去のBGAを見ても地図アニメを用いた作品が結構あるのですが、それらの表現を吸収しつつ、何かオシャレな感じに…として今の状態になっています。(ちょっとカメラ移動が激しかった気もする…)
別にここの地図モチーフはなんでもよかったのですが、なんとなく首都高っぽいマップで、目標地点はレインボーブリッジあたり。今年の3月に友人の首都高ドライブに連れ回された経験がなかったら色々変わってたと思います。
あと地名は「Medieval Fantasy City Generator」の自動生成結果を利用しているのですが、候補に「~HAMLET」があったりして、またなんかシェイクスピア繋がりっぽい偶然が……?
② [0:27~1:04] 前半の都会シーン
ここでようやく記事冒頭のUE4アセットが登場します。映像のクオリティが伸び悩んでいた時期(10月初週)に着手したため、かなりリアルでパワフルな見た目にテンションMAXになってました。素材の力……。
カメラワークにも当時のテンションが反映されています(多分)
2.1 ビル街を映すシーン
この辺りは特に語ることもないのですが、いかんせん初のUE4導入だったため、YouTubeで「UE4 Tutorial」と検索しながら奮闘してました。あとは「こういうカメラワークにしたいなー」みたいな脳内絵コンテに従って、春頃にハマった「Cities: Skylines」を思い出しながらビルの素材を並べ……(としか言えない…。)
また、ここで載っている文章(?)もシェイクスピア原文(ハムレット)です。なんとなくでテキストを載せたところ、街中の会話演出・酔い止め効果(重要)が発揮され、思わぬ収穫。でも時間なくて所々テキスト使い回してるのが心残り。
2.2 ブレイク直前のシーン
満足に夜景を映し終わったので、次の劇場シーンに繋げるために抽象的な色々を挟みます。(良いかどうかはさておき。)
ここで恐れていたのは「急に場面が変わった」と思われることだったので、それなら先に幻想的なエフェクト詰め込んで「ここから何かありそう」と思わせたいな…みたいに考えてました。(良いかどうかは以下略)
ところでピアノのポロロンってアレ(名称不明)で四角形が出てくるシーン、本当は3音だったのを私が聴き間違えて4音になった、とかいう経緯があります。再発防止策はまだ考えてません。
③ [1:05~1:29] 劇場シーン
これを最初に作りました(9月中旬)
前後のシーンでかなり激しく動くので、ここは存分にゆったりさせています。私は映画は自宅派です(無関係)
3.1 客席パート
曲名がNightTheaterですので、どこかに映画館とか劇場っぽいシーンを入れたい……けど手頃な素材が見つからない……ということで一から作りました。劇場。とはいえ3Dモデリングは最近始めた…みたいな状態なので、BOFのハイレベル3DCG作品群の中、いかにそれっぽく見せるか、その一点だけに尽力しました。(それでいいのか?)
▼まず、最近覚えたBlenderで椅子を作り、それを並べて映画館にします。
▼次に、Twinmotionというソフトに読み込んでマテリアルを貼ります。完成。
というように、それっぽいシーンを手早く作ってます。3DCGうまくなりたい…。
3.2 譜面の光線
上記の突貫工事劇場をずっと見せてたらボロが出るので、後半はスクリーンだけを映して大事故を回避する作戦に出ます。ちなみに中央に出ているシェイプモーションは「カメラが回る」「フィルムが回る」、をヒントに「回る」というテーマでやってました。
サビに向けて盛り上げつつも、スクリーンにもこれまでの自主制作を大量に投影して時短を図ります。
当初はスクリーンの映像が変わるだけの予定だったのですが、ある日、
「なんでわざわざスクリーン撮ってるんだ…?視聴者はこれを見せられて何が嬉しいんだ…?」→「譜面でも流すか(名案)」
と思い立ち、H譜面と同期した照明(ビームと読む)の作成に乗り出します。
わかどりさんから頂いた譜面動画とにらめっこしながらAfterEffects上で譜面を再現。ちなみにスクラッチで左右の光線が出るのは1P2P対応のつもり…です。
④ [1:30~1:59] サビの都会シーン
再び街に戻る展開。音楽に疾走感があるので「脱出」とかそのあたりがキーワードです。
せっかくのサビ部分で大味な構成になるのは避けたかったため、視覚的な変化をどう盛り込むかが課題。
4.1 道路再び?
前半のように道路・ビル街を駆け抜けるシーン。でも前半部分とは異なりBlenderで制作し、サビ前で突然出てきた四角形(伝われ)をトンネルとして利用しています。でも私はBlenderハジメマシテみたいな状態だったため、有識者の友人を捕まえて色々操作を教わってました。(おかげでかなり効率的に作れました)
最初の案はこんな感じで、道路に柵も勾配もなければトンネルもありませんし遅いです。流石にわかどりさんにコレ見せるの恥ずかしいな…と感じ、勢いに任せて修正を重ねました。私は普段ゆっくりした映像を作ることが多いのですが、NightTheaterはもう疾走感出すしかないと思い、自己ベストのカメラ速度に挑戦しています。(若干制御不能)
トンネルも最初こんなイメージだったのですが、わかどりさんの「プレイ中に気になる」という指摘(英断)により、現在のようなちょっと控えめな光り方になりました。私も最初の映像チェックで自律神経が逝きそうになりましたし
4.2 畳みかけ
サビ後半から難易度が跳ね上がります。前のシーンでセピアな都会を駆け抜けた後、じゃ……どうしよう……と。「喧騒」というキーワードのもと、ネタ出し用紙には「実写を上に乗せてゴチャゴチャさせる」とか書いてありましたが、実写映像を載せるのも唐突だと気付き、しばらく悩むことになります。
安直に自然なシーンを入れたりもしましたが、「でも自然は不自然だな…」とボツに。
そして結局は都会周りで収める方針に決定しました。前のシーンが赤色だったので夕暮れのシーンから始まり、夜に変わり、朝が近づき…みたいな展開。途中で水辺の表現が出てくるのは、この曲を最初に聴いた時の「海辺の旅だな……」のイメージから来ています。水上都市とか……好きなんです……。
4.3 サビ終わり
映像の中で一番悩みに悩んでもうほんとに何もわからなくなった部分です。頼みの綱のネタ出し用紙にも「これまでの映像をドコドコ詰め込む」としか書いておらず、どうすんだよオイって自分にキレてました。
とりあえず「空を飛ぶサビ→(畳みかけ)→劇場へ戻る」という構成は決まってたのですが、最後のキメが最難関です。過去のシーンを流すだけだと寂しいし、新素材を入れると唐突だし……。
アイディア出しに困った私はわかどりさんに下記の文章を送信しました。深夜に。
結局は諦めてシャワー浴びようとした瞬間に自己解決しましたが、当時はかなり追い込まれてたと思います。(10月16日)(あと3日)
ともかく問題解決のため、問題点を整理して最善の手を模索していました。読みたい方はどうぞ。
結果としてはかなりスッキリした構成になりましたが、もう少しエフェクト加えても良かったかな…?とか思ったり思わなかったり。ともかく映像の最難関部分はこれでクリアしました。
⑤ [2:00~2:09] エンディング
夜景と劇場を流して終わるシーンです。実はBMS版とYouTube版でフェードアウトのタイミングが違います。(些細なこだわり)(わかどりさん監修)
さて、このシーンは最初に作られています(夜景以外)。劇場を1つ作るだけでサビ前とエンディングが埋まるのでお得。できればロゴアニメさせたり、タイトルロゴもう少し凝ったり…とかしたかったのですが、そこまで手が回りませんでした(テヘ
ちなみにクレジットですが、
Music
Movie
と、チームウオウオの「UO」が縦に並んでることに気付いたため、さりげなく主張しています。でもチームウオウオの由来は違うみたいです。どんな意味なんだ……?
そのあと
10/18 ひたすら修正作業
ここからは投稿に向けて粗を探しまくるパートです。
「見えにくくないか」「不自然な点はないか」などといった観点から映像をチェックし、手元の紙にひたすらひたすらメモし、それを無限に潰していきます。
自分にわかるようにしか書いてないのですが修正メモはこうなってます。
特に気を遣ったのは点滅表現。数年前に怒られが発生して以来注意しています。
ラストシーンも「派手に決めたい」という思いと「目に優しくしたい」という思いが両方あったので、目に痛くない適度な点滅を模索。ちなみに私の点滅審査は、①睡眠不足の状態で、②真っ暗な部屋で、③至近距離で確認、という最悪の手法を採っています。良い子はマネしないでね。(私は点滅に弱い方なので地獄でした。←自滅)
10/20 動画投稿
ということで無事に公開されました。チームウオウオで連続プレミア公開だったので、ほんとに…映画観てる気分でした…。
[自己評価] BMS公開後はbeatorajaをDLしてBGAをチェックしてました。(←公開前にチェックすべきでは?)
制作中は意識してなかったのですが、音合わせのシェイプモーションやサビ部分の色変更、ダイナミックなカメラワークなど、「横目で認識できる部分」がかなり多く、遊んでて「あっこれ楽しいな…」って思えました。
私はBMSが下手だったのでN譜面を遊んでましたが、LNが入る後半地帯の疾走感がBGAで更に強調されててヤバイ(興奮)(自画自賛)
最後に
さてさて、BOFXVIの評価期間もあと1週間くらいとなりました。(12/20まで)
私はただBGA作成で参加しただけですが、NightTheater…頑張ってほしい…という目で見守っています。よろしくお願いします。
↓BMSのDLはこちらから↓
ところで、
Jazz-Fun"c"
オ゛゛゛゛゛゛゛(絶命)
※BGA修正済
【オマケ】BGAの進化、というか変化の様子です。
【2021年1月6日追記】
各部門の集計結果は下記の通りです。(※ 1/6修正)
— BOFXVI実行委員会 (@bms_of_fighters) 2021年1月5日
チーム戦スコア部門トップ:ウオウオ
チーム戦中央値部門トップ:TRINITIA
個人戦スコア・中央値部門:NightTheater / わかどり (movie : もがみ)#event_bof
ウオウオも優勝…!!
ありがとうございました!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!